焦って焦らず

こんな話があります・・・

喉が渇いて、やみくもに水を探していた愚かな男がいました。
探しわまり、やっとの思いで清流の豊かな川を発見することができました。
しかし、この男は一向に水を飲もうとしません。
その事を聞いた人が「せっかく水にありつけたのに、何故水を飲まないのか？」
と、尋ねると・・・
「飲みたいのはやまやまだが、水量が多すぎて、とても飲み干す事はできないので、
困っているのだ」・・・と言うのです。

それを聞いて「なんと救いようのない馬鹿なのか」と大笑いしたそうです。
川の水を飲み干す事ができなくても、喉の渇きは癒せるように、一切の事柄は自分の蒔いたものです。
いろいろな事は起こるのですから、それをどのように対処していくか？
その智慧を身に付けながら進まなくてはならないのです！！
ひとつ、ひとつ誠心誠意・丁寧に、できる事から着実に対応してゆけば、思わぬ道が開けてくるものです。
それを、イッキに事を解決させようと完璧を求めすぎる・結果を急いでしまうから、心が挫けるのであって、先に話した男のように対応できなくなってしまうのです・・・

日々を丁寧・大切に生きるという事を常に心がけてください！！

もうひとつ・・・
剣豪として、幕末に名を轟かせた「千葉周作」
彼は「少しの剣術の心得がある三人に囲まれたら、絶対に勝てない」と言っています。

暴れん坊将軍のように、シンさんが沢山の用心棒を一度に何十人も斬るというのは、あり得ないそうです。
テレビの中のお話という事ですね・・・

では、三人以上に囲まれたらどうすれば良いのか？
とにかく「逃げるしかない」そうです！！
逃げて・逃げて・逃げまくるのだと、千葉周作は言っています。
しかし、さすが剣豪
逃げて・逃げて、相手との距離が取れたら、振り返って先頭の一人を斬る、それからまた逃げて、もう一人を斬る
それを繰り返しているうちに、後の者は逃げ出していくのだそうです。

人生には時として一度に災難が降りそそぐものです。

地震・台風・噴火・洪水などの自然災害によって築いてきた一切を失い、途方に暮れる人もあれば・・・
病気や交通事故、人に刺されたりする事も
また、愛する人の死別や生き別れ、老いの不安・病気の不安、子供の心配や人間関係のこじれなど・・・
生きる希望を失い、心が暗闇に呑み込まれることも起こり得るものです。一寸先は闇で、これが人生です。

「因果の道理は宇宙の真理、因と縁が揃わなかったら
結果は現れないから、それまで待つことが大切。
焦ってはならない。」この通りです・・・
コロナ禍となり2年以上の月日が流れました。
この厄災からいろいろな事を学ばれたかと思います。

私がこの厄難で気づいたことは・・・
いろいろな事々に対して「覚悟」をして生きて行かなくてはならないという事です。
一般的に「覚悟」とは、悪い事態や大事を予測して心の準備をすること、覚悟の文字は２つとも「さとる、さとす」という意味の漢字です。
覚悟はこの「さとり」を表す2語からなる言葉で、仏教のなかでは、「迷いからさめ、さとりに至ること、真理をさとること」を指して使用されます。

私事ですが、２９歳の後輩が亡くなりました。
コロナではありませんでしたが、持病の悪化による突然死でした。
彼の死を受けて、年だから・若いからは関係なく「死」は自分のすぐ近くに存在しているのだという事を改めて学びました。

私たちは遅かれ早かれ、いつかは死ぬのです。
多かれ、少なかれ、人生には色々な事が起こってくるのです。
今まで、安心・安全な世の中があたりまえとなり、あまりにも「死」という事柄を遠ざけてきました。

どこか悪くなれば、すぐに医者・薬を貰い安心する。
分からなくもありませんが、根本的な事を無視して医者や薬に過剰に頼りすぎています・・・
●先日ご飯を食べにいったら、何種類薬を飲んでいるかの自慢話をしながら、お酒をがぶ飲みしているおじさん達がおりました。
なんとも滑稽でした。

●コロナが怖いと言って、家から出るのは病院だけという方もおられるそうで・・・
これでは、余計に身体を悪くしてしまいます。

先にもお話したように、「因果の理」があるのですから、良い結果が頂けるような行動・言動に努めながら生きて行かなくてはダメなのです。

そして・・・
日々、覚悟を持って生きれば、自分の生き方・進み方がハッキリと見えてきます。

人間の不安や恐怖心は何処から芽生えてくるかご存知ですか？
「見えない」「知らない」「分からない」といった「無知」から芽生えてくるものです。

生き急いではいけません
答えを早くに求めてもいけません
焦って・焦らずで参りましょう！！

一日々、覚悟を持ってお進み頂き
一日々、喜びの種・良縁の種を蒔きながらお進みください

不安や恐怖は神様への感謝を忘れず、お祈りによって良縁を頂きながら進んでいただき、それぞれに素晴らしい日々を過ごしていきましょう！！